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クリエイターから、女性の就業支援へ
常に変化を続けるCasa de Luz。

“見て”楽しむだけでなく、火を灯す時間を“味わう”キャンドル。

静かなアトリエに、キャンドルの優しいアロマの香りが広がる。キャンドルアーティスト・高野 寧子さんが手がけるアトリエ兼キャンドル教室Casa de Luz(カサデルス)は、賑やかな桜木町駅から程近い、落ち着いた住宅街にある。アトリエにはハンドクラフトキャンドルが並び、自然に変色したペールトーンのドライフラワーが天井にハンギングされている。高野さんが生花から仕立てているドライフラワーは、Casa de Luzの代表的なボタニカルキャンドルにも使用され、ブランドが作り出す独自の世界をアトリエいっぱいに表現している。

日本ではまだキャンドルが入手しにくかった頃から、キャンドルに火を灯す時間が好きだったという高野さん。自身の心のスイッチを切り替えられるその時間に魅力を感じたそうだ。
「キャンドルってなくなってしまうものなので、『もったいなくて火がつけられない』という方が結構いらっしゃるんですけど、火を灯した姿が一番美しいと思うんです。日常的に火を灯す時間を設けることでリラックスできたり、元気がもらえたりすると思うんですよね。“灯してもらえるキャンドル”でありたいということは意識しています。」インテリアとしてだけではなく、火を眺める“時間”を提供することを大切にする。心安らぐ時間が持てるということから、幅広い層から支持を得ている。

立ち止まらず、躊躇しない。“今”の想いを大切にする。

明るくタフな力強さを自分だけのものにせず、相手にも分けてくれるような温かさを持つ高野さん。しかし、二児の母でもある高野さんはCasa de Luzスタート以前、前職の継続と育児の両立に難しさを感じ、もがいていたという。「仕事ができるフィールドがあって働くことを求められたとしても、当時の環境では時間的制約でそれができませんでした。私も主人も地方出身なので、頼れる両親も近くにいなかったですしね。今は自分のやりたいことを諦めて、子育てに専念しようかと孤独を感じながらも模索しました。モヤモヤしたこの環境を変えたくて、子どもとの時間を確保しつつ働けるようにするには開業するしかないと思い、決意しました。」

事業スタートにあたり資金面を学ぶため、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。並行して職を探していたさなか、以前から好きだったキャンドルが、今は仕事になることを知った。
「瞬時に感覚で、『これはいける』と思って。すぐ行動に移しました。JCA(日本キャンドル協会)の資格を2ヶ月で取得。そのタイミングで仕事を辞めて、キャンドルの作り方を学び始めてから10ヶ月で最初のアトリエを馬車道にオープンしました。」
思い立ったら即行動。開業から今も走り続ける高野さんは躊躇しない。
「多分、元々の性格なんだと思います。だいたいの悩み事って、どちらにもメリットデメリットがあって、白黒なんてつけられないと思うんですよね。今の、この“やりたい”っていう気持ちを一年後も持ち続けているんだったら、今ここで止まることは意味がないと思うので、どんなこともこの価値観でやってきていると思います。」

女性の就業支援をエンパワーメントする存在に。

高野さんが運営するキャンドル教室では、キャンドルを仕事にしてスキルアップを図りたいという方が多く集まる。「他との違いは、JCAの資格をすでに取得していたり、比較的熱を持っている人が多いこと。業界的に年齢層は 幅広く、20代後半〜60代までいらっしゃいます。」

Casa de Luzをスタートさせて5年。コロナ禍を経て、レッスンに通う生徒さんの悩みに大きな変化があることに気づいた。
「女性特有の環境の変化っていうのもあると思うんですけど、“働き方”に対して疑問を抱いている方が増えてきていますね。今安定した仕事をしていても、これから先自分の気持ちが向く方にシフトしたいという方が多くいらっしゃいます。」
高野さん自身、子育てと女性の働き方について悩み、模索しながらもキャンドルという方法に辿り着いた。はじめは自分の手でキャンドルを作り出せるこの環境に満足していたが、過去の経験から働き方に悩む女性の支援を考えるようになった。
「女性の就業支援が、Casa de Luzの一つの軸です。一個人が事業をスタートする際の経営コンサルをしていきたいなと思っています。女性ってライフステージの変化やホルモンバランスで、年齢を重ねれば重ねるほど仕事を続けることが難しくなってしまう人が多くいらっしゃいます。気持ちというよりは身体のことなので、どうしようもないですよね。そんな時に手に職がついていて、好きなことでお金をいただける環境であれば、何らかの変化が起きた時でも継続的に楽しく働くことができる。ファイナンシャルプランナーの資格が今すごく役に立っているなと思いますね。」

働き方に悩む女性に『大丈夫』と手を差し伸べる。

動き続ける高野さんの次なるアクションは?
「今年四月から『中小企業診断士』という国家資格取得のために通信講座と通いで学校に行ってるんです。中小企業の経営戦略を支援をする、経営コンサル唯一の国家資格です。感覚だけで事業を進めると息詰まるし失敗する可能性もあります。私の事業を継続していくためにも大事だと思ったし、ベースがあれば、根拠を持って『大丈夫』って言ってあげられると思うんですよね。」
現状維持は考えない。未踏の分野に挑戦したいという気持ちがあるからこそ、常に進化し続けている。

「子ども達は中学生で、ちょうど自分の将来のことを考えている年齢です。私も未来を見ている途中なので、歳は離れていても同じ目線で未来のことを考えられるっていうのが今は結構楽しくて。些細なことかもしれないですけどそれが嬉しいし、幸せな時間です。好きなことを仕事にしているからこそ自分の気持ちは疲れないし、Casa de Luzをスタートしてから一度も辞めたいと思ったことはありません。仕事から帰って子ども達の話を聞いたりすることも、昔のような働き方だったら絶対にできなかったと思います。今は、全てがいい方向に向いているなと思いますね。」

Casa de Luz
〒231-0063
神奈川県横浜市中区花咲町3-84-21 YREビル2F
IG: @candle_casadeluz

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